大西陶芸

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巨大なモニュメント。

重い上に まだ素焼きの状態なので、強度もなく割れやすいという懸念がひとつ。

このままの置いた状態で絵の具を塗る場合、筆だと絵の具が下に流れてしまうという懸念がひとつ。

 

それらを一挙に解決してくれる方法として選んだのは、海綿で叩いて絵の具を塗る方法です。

海綿はスポンジ状のものなので絵の具を含ませてたたいて塗りこむと、ぼかしも出来るし

表面の風合いも趣があっていい雰囲気になるんです。

ただ絵付けの前の下準備が必要です。 周りの白く残す余白部分、また隣の模様に絵の具が

付着しないように、陶芸用の液体ゴムを塗ってマスキングをしておきます。

 

 

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うっすらと水色の部分が、液体ゴムを塗ったところ。輪郭線も白抜きにするので

細い筆で液体ゴムを塗ります。これが乾くと、すばらしい威力を発揮してくれるのです。

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ほぼ全体を塗り終えて、一晩ゆっくりと乾かします。

 

つづく。

 

 

 

 

 

 

モニュメント制作  下描きの巻。

砥部町より、砥部焼モニュメントの絵付け依頼を戴きました。

国道33号線の中央分離帯に10基ほど設置するそうです。

10名の作家が絵付けをしますが、モニュメントの形もぞれぞれ違います。

くじ引きで決まったのですが、私の受け持つ形はずん胴に近くまるでドラム缶。

高さが70センチもある巨大なものでした。

 

ロクロ成型をされた窯元さんから、壊さないように恐る恐る車で運んだものの

男性3名で持ち上げるのも大変な重量なので2階の絵付け部屋には運べず、

工房の隅っこで邪魔にならないように絵付け作業をすることになりました。

 

 

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最初に鉛筆でザッと下描きをします。

時速60キロくらいで走行する場所なので、大胆なレイアウトにしないといけません。

また、窯元名や個人名はモニュメントには一切表記されず、絵付けした作品自体にも

サインをしてはいけないとのことでした。

色々と考えた挙句、パッと一目見て「あっ!大西陶芸のだ!」とわかってもらいたいとの

気持ちも大きいので、当社の代表的な絵柄のモチーフである『葡萄』にしました。

 

葡萄は豊かにたわわに実る果実が子孫繁栄を表すという、とても縁起のいい植物でもあります。

砥部町も将来、子どもたちの笑顔が溢れる平和で活気ある町であり続けてもらいたいとの

私なりの願いも込めています。

 

 

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作品が動かせない場合は、当然人間が動きます。

立ったり、座ったり、しゃがみ込んだりと、いい運動になりますよ。

 

 

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一か所から全体は見渡せないので、何度もぐるりと作品の周りを廻り構図を確認します。

葡萄はツル性の植物なので、枝の流れがとても大切。

ツルの動きが止まってないか、全体の構図を気にしつつ、もくもくと鉛筆を走らせます。

あっ!!

左奥に父親の姿が!!  どうみても、私をチェックしていますね。。。

 

続く。