大西陶芸

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ウェルカム・プレート

懇意にしていただいている方から、ウェルカムプレートのご注文をいただきました。

昨年新居を建てられたそうで、玄関に飾ってお客様をお迎えしたいとのことです。

サイズ、デザイン、模様の配置、好みの文字を決めながら、全体的なイメージを

すり合わせていきます。

お互い頭で描いているビジョンは見えないので、打ち合わせの時間はとても大切にしています。

特にこのようなオリジナルのものは、お客様の想いが強く込められていることが多く

その期待を裏切ってしまわないように・・・といつも気をつけています。

 

お客様が選ばれた文字は、絵と余白を考慮しながらベストなバランスまで拡大します。

今はプリンターがあるので拡大、縮小などの調整も手軽に出来るのですが、

仕事を始めた頃は逐一コンビニまで拡大コピーをしに行ってました。

1度でうまくいけばいいのですが、なんとなくしっくりこない時なんて、もう一度出掛けたり・・・・。

今思えば、時間的なロスも多くて大変。

ほんと、今は便利になりましたね。

 

さて、その文字を陶板に写して、手描きでゴスの絵の具を塗っていきます。

この作業。学生時代のレタリングの授業が大変役に立っています。

手仕事の多い環境なので、特にそう感じます。

なるべく色のムラが発生しないように、薄めの絵の具で何度も重ね塗り。

線が細い部分もあったので、とうとうリーディンググラスを使ってしまいました。

えぇ、はっきり言えば老眼鏡のことです(涙)

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この画像はまだ絵付けが終わった段階の状態。 文字の場所を決める鉛筆の跡があります。

鉛筆の線は焼成すると消えるので、このまま放っておきます。

素焼きの段階は全体的にマットなので、私は焼成後のものより、この時点のものが好きです。

ピカピカした光沢がない分、しっとりと落ち着いた色味がなんともいいんです。

 

で!!

焼きあがったウェルカムボードなんですが。

 焼き上がりの画像もアップして、比較してもらおうと考えていたのに

そんなことすっかり忘れて、お客様にお渡ししてしまいました。

あぁぁ~~。

私らしいといえば、私らしい。。。      

父子3人。

本日、第60回日本伝統工芸展の入選発表がありました。

私たちが何より力を入れて挑戦している、日本屈指の公募展です。

陶芸部門は入選率は20%をきるくらいの狭き門なのです。

毎年のことながら、5歳は老けそうなくらいの勢いで出品作を制作しています。

 

この度、初めて父子3人揃っての入選を果たすことが出来ました。

弟が仕事を始めてから、「いつかは3人で・・・」と家族で願い続けていたものの、

入選すること自体が私や弟にはやさしいものではありません。

父だけの年もあり、はたまた私と弟だけの年もあり。。

弟が出品できない年もあり。

そんな時期が今まで続いていたので、正直諦めてもいたのです。

 

今日こうして願いが叶って、本当に本当に嬉しくて泣きそうになりました。

なによりも父が嬉しそうにしている姿を見ることが出来て、恩返しが少しは出来たかな・・と。

 

今夜は自宅で大好きなワインで乾杯。

呑めない父と弟は、ジュースで乾杯でしょうか。