大西陶芸

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真冬の窯出し

近頃、本当に寒さが厳しいです。寒さがこの上なく苦手な私は困ります。

冬になるといつも、クマのように冬眠したいと思っているくらいです。

そんな冬の一番ありがたーい作業が、窯出しです。(夏は地獄ですが・・・)

 

窯は焼成した時間と同じくらいの時間をかけて、自然に冷やします。

1200度くらいで焼いた窯が200度くらいまで落ちたら、少しずつ少しずつ

扉を開けて、時間をかけて冷ましてからゆっくりと台車を引き出していきます。

台車が出てもまだ窯の中はとても熱いので、乾燥したい品がある時は

また扉を閉めて乾燥室の代わりに利用したりもします。

 

さて今日も、朝から窯出し作業です。

まだまだ、詰まれた台車からは熱さが伝わり

思わず手をかざして温まりたくなります。

いえ、実際にいつも20秒程そうしてます。

きっと、そんなことするのは私だけです。

 

 

ふと見ると、あっ!!ももちゃん発見!!

先日のストーブでは惜しかったですが

今日は窯が開いたと同時にいい場所をキープしてます。

置物のように微動だにしないももちゃん。

 

声を掛けると、カメラ目線でこちらを見ました。

この後、スタッフが台車の周りを取り囲み

窯出しに激しく動き回っていましたが、それを

涼しげに観察していたももちゃんでした。

これもうちの冬の風物詩です。

 

やっと完成! 万歳!!

先月からず~~~っと生みの苦しみを切々と訴えていた薔薇の洗面鉢。

やっと昨日最後の1個が完成して、本日お客様に最終のお届けとなりました。

配達に行った社長から夕方、依頼主様に納得頂いて無事に納められたと電話を受けてやっと安堵。

あ~、本当に長かった。 モチベーションを下げずに保つのが一番大変でした。。。

 

1月22日の写真手前の鉢は、またしても妙な割れ方をして窯から出てきました。

窯から抱えて出した社長は、そのヒビを見て笑っていました。こう苦難が続くと笑うしかないのねぇ。。。

その気持ち、よく分かる。泣いてはないけど、泣き笑い。

中心部分がパックリと割れています。絵付けをする前には、素焼きの

時点で必ず検品作業をします。これはヒビや鉄粉、小さな穴とかを見つけ

焼いても大丈夫なものはこの時点でキチンと修正するためです。修正しても

無理だと思うものはその場で破棄します。無駄な作業を減らすためです。

そんな兆候が全くなかったにも関わらず、焼きあがってきたらこんなに

酷い割れ方。これ以前にもそんな不思議な割れ方をした洗面鉢がありました。

他の窯元さんと話してみると、チラホラと同じような被害が出てるところがあるみたいで。

 

結論から言うと、土がどうも不安定みたい。 窯元も初めての経験で手探り状態であたふた。

予想もつかないキズの発生とその量の多さが、余裕をもって計算していた制作期間を

大幅に狂わせてしまう。

納期が迫るのに、何度も何度もやり直しをしなければいけない。

ただでさえ時間がかかる細かい作業の積み重ねなのに、まったく先が見えず、

今やっていることに何の保障も確信も持てず、それが精神的にとてもきつかったです。

それも今日で終わり。   みんな、お疲れ様。

あ~、諦めないでよかった!! 嬉しい!! ばんざ~い!!