大西陶芸

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十分の一。

日曜日。

朝4時に起きて、私用で神戸に向かった。荷物を沢山搭載する予定だったので

息子の愛車PRADOを拝借。お礼の代わりは「ガソリン満タン」だと言う。

自分の軽四の感覚で気軽にOKしたところ、帰りに泣きをみた。。。。。

 

沢山の人で賑わっている家具やインテリアを扱う総合施設。

リフォームしている都合で、あれやこれやと目的の品を吟味してはカートに放り込む。

途中、食器のコーナーに人だかりが見えた。

私はどうしても人の手の温もりの感じられる食器が好きなので、ここで販売されている

ような型で制作されたものは、まず欲しくないし、買わないし、使わない。

デザインがよくても、使っているうちにあっという間に飽きてしまった経験から。

重さとか口当たりとか、自分自身の感覚と合わないのも理由かな。

でも沢山のお客さんが手に取って購入している。ちょっと私も近寄って見てみよう。

う~~ん、びっくり。

デザインもモダンで、シンプルで使いやすそうな器が、信じられない価格で売られている。

飲食店でよくみるようなデザインのものも多数。壊れたりすることが多くて、量が沢山必要

な飲食店などは、この価格だと重宝するだろうなぁ。

だって、だって、うちの工房の品の十分の一くらいの値段なんだもん。

しかし安価ではあるけれど、安全性が保障された上で、洒落たデザインの器でもある。

強いブランド力が、商品の信頼性も生活の楽しみも同時に提供しているのだろう。

砥部焼も売れなくなったと言われる昨今。

ある意味、このような価格の製品と競っている面もあるんだと実感。

 

先日、「砥部焼は高くなったと言われていますが?」と質問を受けたことを思い出す。

高くなったのも事実だけど、一般的なモノの価格も下がっているのも事実。

高くなったというよりも、未だに機械化せず手作りにこだわっているから。

そこに重きを置いているから。それだけは外せない。

だから、ひとつのものを時間をかけながらも丁寧に作っているのだ。

それだからこそ、砥部は小さな産地であるにもかかわらず今も生き残れている。

作り手がちゃんとアピールして、そこに価値を見出してもらいたいと願う。