大西陶芸

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料理の映える白い器

料理の映える白い器なるものに、最近取り組んでいる。

これはどちらかというと料理をする側の人に向けての提案デザインだ。

そもそも普通に作っている食器自体、料理を盛る器であるわけだけど

作り手の想いが前面に出てきてしまって、料理を盛るということをちゃんと

考えられてないのかも・・・ということに気づいたから。

販売する際にはもちろん料理なんて入ってない状態で展示されるから、どうしても

目立つように絵付けをしてしまう。そこに料理が盛られてやっと完成なのに、

料理を盛る以前に完成形となってしまっている。

そんな当たり前のことを、料理人さんと話すまであまり深く考えていなかったのが

本当のところ。それからはなるべく白の余白をひとつのデザインとして捉えた

絵付けをしてきたつもりだ。でもやっぱり、描きすぎているらしい。

 

私の仕事は絵付け専門。自分の作品の形こそ、ロクロ師にデザインを見せて

忠実に成形してもらうけど。それでも自分でロクロを引いてるわけではないので

絵で主張するしかない。それが、描き込みすぎる原因でもあったりする。

いっそのこと、料理を邪魔しない”白い絵”を描こう!!

ただの線を彫るというわけではなく、いっちん技法で立体的な絵を描く。

ぱっと見た目は白い器なんだけど、よ~~く見たら盛り上がった白い線で模様が

描かれている。主張しないけど、何もない器より楽しい。

ほのかな影が器のアクセントになる。

触ってもポコポコと飛び出した線の感触が面白い。

だけど遠めに見たら、やっぱり真っ白なだけの器。

 

今月15日からの砥部焼観光センター炎の里でのテーブルギャラリーに、

このシリーズも出品します。

お料理を引き立たせるための器です。

お料理を盛って、やっと完成する器です。

でもでも、作家の想いも地味~~に主張させている器でもあるんです(笑)